「医療における意思決定支援資料室」アーカイブ

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2017年6月3日(土)14:00-17:00 もしバナゲームから考えるアドバンスケアプランニング を開催します!

ACP(Advance Care Planning)=病をきっかけにして、みんなで今後の治療や療養について、あらかじめ話し合うこと、が注目を集めています。

大切な取り組みでありながら、どこから、どう取り組んでいけば良いのかは試行錯誤の段階です。

「もしバナゲーム」は、米国の医師・患者のコミュニケーション・ツールとして作成した「Go Wish game」を Institute of Advance Care Planning(iACP)が日本語に翻訳したものです。

レクリエーションを通して、"縁起でもない話"を気軽に語ることの意味を考えてみたいと思います。

特に医療者がこのゲームをすることで、あらためて価値観の多様性を体感出来るのではないかと期待しています。

前半は、Institute of Advance Care Planning(iACP)のワークショップアドバイザーでもあり、亀田総合病院 緩和ケア認定看護師 千葉恵子さんから、ACPに関して話題提供していただきます。

後半は、「もしバナゲーム」を4人1グループになって実際に体験します。

場所は、九段坂病院(地下鉄九段下駅 徒歩数分)カンファレンスルームとなります。

参加希望の方は、下記内容を記入のうえ、 info@rnurse.jp へ
お申し込みください。?

1.氏名  2.メールアドレス  3.職業  4.所属

〆切を5月22日(月)と致します。

ご連絡お待ちしております!

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在宅医療 多職種連携 実践ハンドブック」 が4/28に刊行され、私たちも分担執筆を致しました。

第2章 在宅医療に必要な知識と理解 
2-37 意思決定支援 

の箇所です。

この章のポイントは以下の3点です。

・意思決定支援とは、患者の意思決定を困難にしている?真の課題″
を抽出し、納得できる解決方法を共に考えること。
・すべての望みをかなえることは困難。だからこそ、自分で納得して意思決定することが重要になる。
・意思決定支援は、看護師の役割が大きく、今後重要度を増していく。

事例も2つご紹介しております。

本書の分担執筆者は30人以上。いずれも直接お話を聞いてみたい!と思う個性豊かな取り組みをされている方々です。

この本は、それぞれの職種の役割にとどまらず、その職種の目的、課題意識を知ることができます。多職種の本音を知ることで、さらなる相互作用が働き、より良い在宅医療へと発展するための参考書になるのではないかと思います。

ご興味のある方は是非、お手に取って下さると嬉しいです。

MEDプレゼン2016在宅医療

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5月22日(日)、MEDプレゼン2016在宅医療無事終わりました。

円形のこじんまりとした雰囲気、でも大人数、スポットライトに赤い絨毯、緊張MAXでした。

お声かけ下さった秋山先生、こんな素晴らしい機会を本当にありがとうございました。秋山先生に繋いでくれた友人、引きつっている私に声を掛けて励まして下さった去年のプレゼンターの方、頑張ってね!と声を掛けてくれたJSPの仲間や在宅の仲間、皆さんありがとうございます!!

これまでの意思決定支援に関する活動の集大成を形にすることが出来たうえに、改めて沢山の方々に支えられていることを実感することができました。本当に素敵な会でした。

次は10月16日に開催されるMEDプレゼン。楽しみですね。

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医学書院の雑誌「訪問看護と介護」で「がん患者の治療から看取りまで 段階・手順に応じた意思決定支援を」という事例報告を書かせて頂いたのが昨年の2月号。

それを読んで下さった 長野市民病院 訪問看護ステーションの佐藤奈津子さんが、院内の研究発表会で私たちの推奨する「納得のいく医療意思決定プロセス」を使用して分析した事例を発表されました。

タイトルは「在宅での看取りの意思決定支援の分析 ―高齢がん療養者を在宅で看取った遺族の語りより―」です。
                   
発表前にわざわざプロセス表の使用許可を求めて下さり、繋がることが出来ました。発表の内容はとても興味深いもので、院内発表後には病棟師長さんから質問も寄せられたとのこと。

雑誌がきっかけとなって、在宅と病院の懸け橋になる研究に少しでも関わることが出来、とても嬉しいお話しでした。今年の春に発売予定の在宅関係の書籍でも、プロセス表を用いた文章を寄稿しています。そちらからもこうしたご縁が広がると良いなあ、と夢みています。

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12月5日、信州大学にて「実践力ある在宅療養支援リーダー育成事業」の退院支援コースで講義をさせて頂きました。

http://在宅療養支援リーダー.jp/

タイトルは「退院支援、在宅療養支援における意思決定支援」です。

佐久総合病院訪問看護認定看護師の上原晴美さんからは、「多職種・地域連携カンファレンス」についての講義があり、その後は退院支援に関わる意思決定支援での課題について全員でグループディスカッションを行いました。

このコースは、難病・がん・重症児など、これまで不足していた新たなニーズに対応し、切れ目ない医療提供と地域在宅ケアを促進するため、そのコアとなる看護師「在宅療養支援リーダー」の育成を目指しているとのこと。ディスカッションでは具体的な現場の問題点を挙げて話し合いが行われており、私自身も学ぶことが多くありました。意思決定支援の必要性は実感しながらも、それを現場で実践していく方法は皆さん試行錯誤。でも、こうして病院側、在宅側の看護師が一同に会する事で新たなアイデアも生まれてくる。是非、こうした場を東京でも沢山作っていきたいと改めて思いました。

そして、初の松本への旅、とても素敵でした。ずっと車窓から目を離せず、あっというまの車内でした。山に抱かれた小振りの松本城も魅力的。次回はもっとゆっくり観光もしたい、素敵な町でした。

第35回歯科患者塾にて講演

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10月23日(金)夕方、第35回歯科患者塾にて講演をさせて頂きました。

タイトルは、「患者さんの意思決定を支える」。ODH草の根歯科研究会(歯の根草の根)の代表、歯科医である岡田弥生先生からのお誘いでした。

岡田先生とは10年以上前に楽患ねっとの活動でご縁がありました。

いつも送って下さる会報「はのねくさのね」は、勉強会だけでなく、「歯医者さん探検隊」など、興味深い活動が盛り沢山に掲載されています。

歯科の分野でも、専門職はもちろん、患者さんも主体的に医療に関わっていこう!というスローガンを元に長く活動されている岡田先生。

今後もその活動に注目し続けていきたいと思います。

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10月18日(日)、第3回東京都緩和医療研究会学術集会「深めよう!東京都」が国立がん研究センターにて開催されました。

参加者は200名近くと大盛況でした。

私は事例検討にて、越川病院の越川貴史医師、慶應義塾大学病院金子健薬剤師の両座長の元、「医療連携によって実現する患者中心の意思決定支援」を発表いたしました。

自身の活動を言葉にするということは緊張する試みでしたが、無事に済んでほっとしました。

普段から考えている問題意識を皆さんと共有することで、次に繋げていくきっかけになると嬉しいと思っています。

患者中心の意思決定支援 増刷決定

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共著書である『患者中心の意思決定支援』が、第4刷として1,000部を増刷させていただくこととなりました!
http://www.amazon.co.jp/ex.../obidos/ASIN/4805836040/rakkan-22

この本のお陰で沢山の方々と繋がることが出来、感想も沢山頂いています。
とても嬉しいです。これからもよろしく御願いいたします。

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第29回 日本がん看護学会

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第29回 日本がん看護学会にて、ポスター発表

「患者の語りから意思決定を支える―在宅で家族と共に患者の語りを聴き意思決を支えた1例」

を当ステーションの緩和ケア認定看護師 島津ちほ さんが発表しました。

看取りの時期の意思決定における問題に、本人が意思決定出来なくなったとき、家族の代理

意思決定をどう支えるか、があります。本人の意志を反映した意思決定を訪問看護師が支え

た一例を意思決定支援のプロセスに当てはめて考察しています。

考察 と まとめ を以下に抜粋します。

【考察】

患者の意思決定において、知識や手段に対する医療者の支援は充実してきている。

しかし、患者の感情や価値観に対する支援はまだまだ不足している。

今回、娘がA氏の語りを聴き、思いに寄り添えるよう支援したことは、A氏の感情や価値観を引

き出すことができ、意思決定に大きな影響を与えたと考える。

さらに、残される娘にとってA氏の語りを聴き、療養を支え続けたことはグリーフケアに繋がった

と考える。

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【まとめ】

・語りは自分の感情や価値観を見つめ直し、意思決定をするうえで大きな影響を及ぼす。

・医療者は患者自身が意思決定できるように支援することはもちろんであるが、その支え

となる家族が、患者の内なる思いに目を向け耳を傾けられるよう支援することも重要であ

る。

今年の学会では教育講演1つ、口演2枠、交流集会3枠が意思決定支援に関するもので、

ポスターも多数発表がありました。

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また、小川朝生 先生の教育講演「がん医療における意思決定?サイコオンコロジーの立

場から?」は、意思決定支援の前提(意思決定ができる状態であるか否か)について触れ

ておられ、出来ない状態である時の注意点、対応方法などについてもお話がありました。

私自身は初めて「前提」についてまとまったお話をお聞きしましたので、非常に参考になり、

楽しい講演でした。

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2月7日 第2回 意思決定支援研究会  「メイヨークリニック研修報告?海外での意思決定支援?&事例検討」

を開催致しました。 当日は30名の方々にお越し頂き、活発な意見交換がなされました。

始めに、メイヨークリニック研修報告をして下さった国立がん研究センター中央病院・がん看護専門看護師の清水陽一さんからのお話で興味深かったことをご紹介します。

・外来看護師の活用方法→初診時のインテーク
  ・患者さんは外来看護師とまず話をする
  ・外来患者さんの電話やメールへの対応
  ・医師・NP・PAの病状説明に同席しサポート
・ホワイトボードや「Get to know me」ボードの活用
・意思決定支援について共有するシートの活用
・The Mayo Clinic Shared Decision Making National Resource Center がある。
  ・Shared Decision Makingを浸透させるのが役割
  ・患者の意思決定支援ツール(patient decision aids) や技術の開発、実践、アセスメント
  ・SDM促進ロードマップ

お話を聞いて、
・外来看護師の活躍が意思決定支援の推進に一役買っていること
・メイヨーでもプロセスモデル(ACP)までまだいっていない。Shared Decision Makingの浸透に力を入れている。
・病院独自のツールの開発を積極的に行なっている。

ことが心に残りました。日本でも今後外来看護師の役割が注目され、独自の取り組みを進めていく必要性を感じました。

後半は、NPO法人楽患ねっと理事長 岩本貴より、意思決定支援とは「患者の意思決定を困難にしている"真の課題"を抽出し、納得できる解決方法を共に考えること」という定義と、フレームワークについてご紹介しました。

続いて、秋田県の総合病院で退院調整看護師をされている小野まゆみさんより、事例の説明がなされた後、グループワークにて事例検討がなされました。

事例は、退院調整でのよくある、しかし非常に難渋するお話で、各テーブルから「あるある」「でも結局どうしたら...」と言った声が聞こえました。
各テーブルには病院と在宅の医師・病院と訪問の看護師・薬剤師・ケアマネジャーなど多職種が集まって話し合いが出来るようにしたことから、様々な立場からの具体的な対応策が提示されていきました。

いつものことですが、あっという間の3時間でした。
次回は8月を予定しております。

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第2回 360度カンファレンス(意思決定支援研究会)
「メイヨークリニック研修報告?海外での意思決定支援?&事例検討」

を2月7日(土) 14:00?17:00 足立区北千住駅近くにて開催します。



前半は、国立がん研究センター中央病院・がん看護専門看護師の清水陽一さんから、

昨秋メイヨークリニックの研修で知り得た意思決定に関わる話題提供をして頂きます。

後半は、意思決定支援が困難だった事例の検討を行ないます。

※事例の提供を希望される方、ご参加希望の方は、どうぞお気軽に info@rnurse.jp

?までメッセージをお送り下さい。

患者の "意思決定支援" の定義

患者の意思決定支援について、楽患ねっとでは次のように定義しています。

患者の意思決定を困難にしている"真の課題"を抽出し、納得できる解決方法を共に考えること

患者が決められない、その原因を見つける事が第一歩であり、もっとも重要な点です。原因がみつかればおのずと解決する手段はみつかるものです。

患者の課題は次の表の分類のいずれか、もしくは複数にあると考えています。それぞれにあたりをつけながら掘り下げていくと課題が明らかになってきます。

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秋晴れの一昨日、南千住にて開催致しました。

今回はご遺族の方にも参加して頂いて、多職種での学びを深めました。

前半は3名から話題提供をしました。

まずは私から「在宅の立場から考えるグリーフケアについて」聖路加大学地域看護学小野先生の冊子を用いて基礎のおさらいを。
次に帝京科学大学看護学科の大西先生から今取り組んでいらっしゃる研究「がん患者を在宅で看取った家族の覚悟を支えた要因」のご発表。
最後は国立がん研究センター東病院のがん専門看護師である角甲さんから「終末期ケアと複雑性悲嘆」についての論文の紹介と、病院での
取り組みのご紹介がありました。

その後、ワールドカフェ形式で話し合いを持ちました。ご遺族、医師、在宅看護師、病院看護師、ヘルパー、ケアマネージャー、看護学校の先生、
高齢者住宅の施設長、互いの職種の違いを超えての話し合いは大いに盛り上がり、2時間半はあっという間でした。

話題に出たことを徒然にご紹介します。

・グリーフケアとは、死後だけに焦点を当てるものではなく、生きている時からの関わりが大切である
・それはまさに緩和ケアの理念そのものである
・本人・家族の覚悟を支援することが良い看取りにつながり、良い見取りが悲嘆を軽減する
・病院で出来ることはその時期に応じた在宅看取りの情報を提供すること。在宅では、患者さんのニーズに応じた対応を出来るだけ実現して
欲しい。病院側が知っいる患者さんのニーズをもっと在宅側に提供していく仕組みが必要。病棟看護師と在宅看護師との連携が必要
・最後に救急対応になってしまう残念なケースもある。救急隊との連携も必要
・患者さんと家族の良い看取りを支えるために、療養場所に関する意思決定支援は重要
・ご遺族の方からは、関わる家族それぞれでグリーフの深さが違うこと、家族間であっても共有できることと出来ないことがあること、共に看取
りの時間を過ごしたスタッフと今日時間を共有出来たことが本当に嬉しかったことを教えてもらいました

その後は懇親会でも盛り上がり、合計5時間充実した時間を過ごしました。
ご参加頂いた皆様、本当にありがとうございました。やはり顔の見える関係作りは大切だと毎回思います。

最後になりましたが、今回は角甲さんのお力添えにて無事開催にこぎつけることができました。ありがとうございました。
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7月8日は、第3回日本在宅看護学会学術集会で大会長をされた尾崎章子先生にお招き頂き、東邦大学院生の看護倫理の授業で「意思決定支援の構造とプロセス」の講義と演習をさせて頂きました。

東邦大学は私にとって憧れで、玄関のナイチンゲール像を見上げると、夢一杯だった高校生の頃の自分を思い出しました。

授業は少人数だったので、3時間みっちりと意思決定支援の実際をロールプレイで学べたのではないかと思います。

皆さんの感想です。
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※意思決定支援をするためには、自分をまっさらに、先入観を捨てて向かいあうこと、でもこれがなかなか難しい。自分の中の「これが正しいこと」という思いがあり、そこに引っ張られてしまう。

※その人の課題に気付いても、自分の言葉の影響力を考えると指摘することが怖い。

※これまでは、傾聴することによって、患者さんから答えを導き出すように教育されてきた。今日は、意思決定を阻害している課題を探し、その課題を解決
するためにはどうしたら良いかを共に考えることを教わった。まだ自分の中で整理が必要だ。

***********

参加された方々は、難しい難しいと言いながらも、自分のやり取りの癖を掴み、次に生かすためにはどうしたら良いか、というところまで考察されていたのはさすが
でした。
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帝京科学大学 講義

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患者中心の意思決定支援」の書籍を出版してから、ご縁が広がっています。

昨年の12月3日には、帝京科学大学2年生の在宅看護援助論?にて「看護師が行う意思決定支援」という講義を一コマ担当致しました。学生は全員で90名。2回に分けて授業を行い、一回の授業で45人の学生とロールプレイをしながら学ぶ形を取りました。

まだほとんど現場に出たことのない学生たちでしたが、ロールプレイは楽しそうに行っていました。話がうまく広がらずに止まってしまっているグループには、先生と一緒に助け船を出...しながら回っていきます。

意思決定を行うためには、生活のこと、金銭のこと、治療のこと、様々な悩みの中から、患者さんが抱える課題を見つけていくのですが、一つの課題に固執してしまうとうまくいかない状況がみられました。スムーズに話が進んでいるグループでは、広い視野でその人を理解しようと語りかけて
いる姿がみられました。

ベテラン看護師であっても、看護学生であっても、「人を看る」という視点を大切に出来るかどうかが看護の質に関わるのだと、学生との授業で実感しました。

授業の後に感想を頂いたのですが、「難しかった」と共に、「楽しかった」「またやってみたい」という感想もあり、とても嬉しい思いでした。

意思決定支援は看護師の非常に大きな役割の一つです。学生の頃からそのことを意識して関わっていく一助になれば幸いです。

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3回日本在宅看護学会学術集会が、東邦大学看護学部にて昨年の11月16日に開かれました。

 

私はシンポジウム1「在宅療養者・家族の"will"を支える 意思決定支援技術を可視化する」

にてお話させて頂きました。内容を学会誌に寄稿致しましたのでご笑覧下さい。(下記PDF)

 

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今回の学会参加者は400名弱で大変盛況でした。内訳は、在宅に関連する方々に留まらず、病院で退院調整に関わる方々も多くいらしたとのことでした。病院から在宅へ向かう傾向は益々加速し、現場の人たちも意識を高く持っているのだと感じます。

 

シンポジウムの際にも、多くの質問があがりました。大学病院の連携室の方からの質問では、「外来通院中の意思決定が必要な患者さんへのアプローチに困っている」とのことでした。訪問看護で意思決定支援をする際一番困るのは、医師からの情報提供・現状の説明を患者さんが理解されていない、もしくは必要な情報提供や説明をされていない場合です。患者さん自身が『困っている』と医師や看護師へ言い出せれば良いのですが、そうでない場合、大勢の外来患者の中から支援が必要な患者さんをどう見分け、支援するのか、外来看護師の力量が問われます。

 

また、看護学生の方から「センスを学ぶためにはどうしたら良いのか?」という質問もありました。この方は後から個別で話しかけて下さったのですが、卒業論文で意思決定支援について触れており、執筆する以前にこのシンポジウムを聞いていたら内容をもっと深いものにできたのに残念です、と言って下さり、とても嬉しかったです。

 

また、「特定機能病院の外来看護師の在宅療養者支援に関する認識と課題の検討」にてベストオーラル賞を受賞されました東海大学病院の畠山さん(写真中央)、東海大学の岡部さん(写真右)とは、退院調整看護師と外来看護師との連携について、また両者と訪問看護師との連携や、認定看護師の活躍の場、機会について、など、沢山の情報交換を行いました。

 

多死社会を迎える中、急性期病院での意思決定支援をどうするかは、今後の大きな課題と感じます。誰が、どのタイミングで支援を必要としている人を見極めるのか、見極めた後、どんな風に支援を行っていくのか、議論と実践を重ねていきたいと思います。 

 

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第3回 日本在宅看護学会

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今週の土曜日(11月16日)は、第3回 日本在宅看護学会 が行われます。
今年のメインテーマは「在宅療養者と家族により添い支える在宅看護」です。

私は、シンポジウム? 「在宅療養者・家族の"will"を支える ?意思決定支援技術を可視化する?」
にて、「看護師が陥りやすい意思決定支援のピットフォール」という話をします。
 
知り合いの訪問看護師の方数人から、「当日会いましょう!」と声を掛けて頂いています。
学会に行かれる方、緊張している私を見掛けましたらどうぞ励まして下さい。
新しい出会い、懐かしい交流も楽しみにしています♪
 
 

患者中心の意思決定支援 増刷決定!

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2012年1月に出版致しました「患者中心の意思決定支援 納得して決めるためのケア」が増刷となります!

初回 3000部 が販売されたことになります。沢山の方に手にとって頂いて本当に嬉しいです。
 
厚生労働省の「終末期医療の決定に関するガイドライン」が公開され、シェアードディシジョンモデル、代理意思決定、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)という言葉が注目されています。
 
医療コーディネーターのミッションである「患者さんが自分らしく納得のいく医療を選ぶサポートをすること」の重要性をあらためて感じさせられます。
 
 

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懇親会の席で中島先生と。5年振りの再会です♪

 

 

2月17日 午後 千駄ヶ谷のJIA日本建築家協会で行われた上記シンポジウムに参加しました。基調講演は、中島医師(国立病院機構新潟病院 副院長)による「喪失から再生への地域ケア共同体へ」でした。私は中島先生をとても尊敬してます。先生の講演は、シャープで、分かりやすく、そして優しいものでした。5年前より今回のほうが深く講義を理解できたように思います。少しは成長したのかもしれませんね。。。

私の中で心に残ったお話をいくつか書き残してみます。

 

?医療は構成概念で成り立っている。 
 絶対的なものではなく人それぞれの見方によって変わるものなのですね。

?患者は常にナラティブを書き換えている。

?喪失体験があったとき、ナラティブの書き換えが良い方向に向かうように支えることが緩和ケアであり、グリーフケアである。

?緩和ケアは、トータルペイン(全人的苦痛)に対応する。

?苦痛は、身体的なもの、社会的なもの、と分けて対応できるものではない。包括的に対応することで緩和される。

?人間の最大の痛みは孤独である。英国では、社会的に孤立している人を優先してケアしている。
 孤独を癒すのは必ずしも在宅(自宅)というわけではなく、それは施設であったり、時には病院だったりするのだと思います。

 

私たちのステーションでは、看取りが近い患者さんの訪問の際、ゆっくりと滞在時間が持てるように心掛けています。

医療保険を利用して伺う訪問看護は、30分滞在しても、90分滞在しても利用料および保険収入は変わりません。経営効率を考えれば、お一人お一人に時間を掛けないでたくさんの患者さんを訪問した方が良いのかもしれません。しかし、私たちはお一人お一人とじっくりと向き合うケアを心掛けています。

中島先生の講演は、構成概念やナラティブという言葉を使って、相手を知ることの重要性を唱えていました。患者さん、そして家族のもつ「物語」「構成概念」を知ることから、緩和ケアは始まります。相手を知り、苦痛の内容を知り、その書き換えを共に行う作業は信頼関係とコミュニケーションを必要とします。そのためには、共に時間を過ごすことがとても重要です。その延長線上に、患者さん自身、そして家族が納得して医療を選択し、そして生き抜くことにつながると感じています。

 

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      楽患ナース訪問看護ステーション 

         http://hn.rnurse.jp

 

 ?在宅緩和(ホスピス)ケアを実践する仲間を募集中?

 

興味のある方は一日見学も受付けています。お気軽にご連絡下さい。

 

  〒123-0843 東京都足立区西新井栄町2-10-16 1

     TEL 03-6806-3920 FAX 03-6806-3921 

 

 

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ナーシングビジネス 20127月号に寄稿しました。

 

患者の要望にどこまで応えたら良いのか、悩むことがあります。そんなときにミッションに照らして考えてみると大体考えがまとまります。ポイントはそのミッションを自分たちで作ることです。お仕着せのミッションでは納得した取り組みにはならないものです。

 

 

「患者満足」に振り回されない病棟マネジメント ナーシングビジネス編集室

http://www.medica.co.jp/magazine/view?id=2419

◆病院のビジョン・ミッションから「患者のニーズ」をとらえなおす
NPO
法人楽患ねっと理事長、楽患ナース株式会社代表取締役 岩本

◆ワークショップ報告1 あなたらしく生きることを支援します
美原記念病院回復期リハビリテーション病棟 小日向幸江/手島明美/金澤直子/司会:岩本

◆ワークショップ報告2 抜群のチーム力で地域に根差した医療を提供する
上尾中央総合病院 大島英子/中野優子/赤平知美/司会:岩本

 

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大西先生の講演の様子

 

519日 司会とシンポジストとして参加しました。

http://non.rakkan.net/2012/04/post-95.html

 

第一部「大切な人を失うときの つらさを支えるケア」は、遺族ケア・家族外来で知られる大西秀樹先生の講演でした。

 

遺族ケア外来がなぜ生まれ、必要とされているのか、そこに集う方たちの思い、必要とされる支援、が分かりやすく、かつ簡潔に語られました。

 

第二部「住み慣れた家で 最後まで過ごす ‐実現したご家族の経験を聞く‐」は、緩和ケアの専門家が在宅でご家族を看取った経験を家族の立場で語りました。

 

医療者として現状を把握し、先を見通しながら過ごしていこうとされる静の部分と、家族として、第二の当事者として、揺れ動き、受け止められない思いに満たされる動の部分を併せ持った体験を聞かせて頂きました。両極端に触れる振り子のような体験は胸に迫るものでした。

 

シンポジウムは鈴木内科医院鈴木央医師やあすか山訪問看護ステーションの平原看護師など、著名な方々のコメントも頂き、100名以上の方が参加された大変盛況な会となりました。

 

この講演会の主催者は、「市民に緩和ケアを広める」ことをライフワークにし、緩和ケア認定看護師の平野和恵さんでした。平野さんの人脈と熱い気持ちに賛同した方々の力で成り立っていた講演会だったと思います。

 

勇美記念財団 助成実績報告書はこちら

http://www.zaitakuiryo-yuumizaidan.com/data/file/data2_20120628115904.pdf

 

 

また、2012年113日‐4日には、第36回日本死の臨床研究会年次大会@京都にて、

http://rcpt.kyoto-bauc.or.jp/jard36/

「地域における緩和ケア普及啓発への取り組み 第2報 -市民公開講座の開催?」というタイトルで一般演題(ポスター)発表を致します。

 

年次大会へ参加される方はどうぞ足を御運び下さい!

 

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残暑を忘れさせる鮮やかなピンク♪

※下記記事とは関係ございません。。。

 

 

517日 夕方より、

「患者の意思決定を支える」というタイトルで、三井記念病院の全職員と地域の訪問看護師を対象とした勉強会の講師を致しました。

 

患者さんやご家族の方に「納得して」医療を受けてもらうために、看護師が「情報提供型」ではなく、「課題抽出型」の支援方法で関わるにはどうしたら良いか、実際の相談事例を元にグループワークしてもらいまいした。

 

ワークの最後にはグループごとに結果を発表して頂くのですが、参加者にとってこれがとても刺激になるようです。まず、グループの構成員によって相談結果がかなり異なります。

 

1つめは、奥様からの相談で、本人には内緒で今後の療養のことを相談したい、という事例でした。

 

グループ発表では、

 

・まずはご本人のお話をお聞きしないと何も前に進まないので本人に会う

・療養環境について詳細に説明する

・病院の対応、病気の詳細が分からなければ相談には乗れないので主治医に連絡する

・なぜ、ご本人にお話し出来ないのかをお聞きする。

・ご本人を説得するためにはどうしたら良いか考えたが答えがでない

 

など、多彩な意見が出ました。

 

自分たちのグループでは話題に上がらなかったこと、正反対の意見、など様々な角度からの視点を得ることが出来たように思います。

 

最後に医療コーディネーターとしてどう相談に対応したかをお話しして講義を終了しました。

 

終了後、病棟に勤務しているという若手の看護師が数名が、今の病棟での悩み事に助言が欲しいと声を掛けて下さいました。入退院を繰り返す患者さんにどう関わったら良いのか対応に悩んでしました。

 

私自身、病院勤務していた頃は日々の実践の繰り返しの中で、患者の「意思決定支援」にどう取り組むべきか悩んでいました。とある患者さんの、このシチュエーションでは「情報提供型」なのか、それとも「課題抽出型」として関わっていくのか、悩む場面は多かったように思います。

 

今後も機会があれば、病棟看護師の方々と少人数でひざを突き合わせてで事例検討が出来たら素敵だなと思いました。

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意思決定支援に関する経験・ノウハウを多くの看護師に伝えたいとの思いで出版社を回り早5年。ようやく形になりました。

 

3年ほど前、とある出版会社の最終の企画会議まで残ったのですが

「なんで医療に納得する必要があるの?信頼できる医師がいればそれでいいのでは」

との意見にあえなく流れたこともありました。

 

今回は医療コーディネーターだけでなく、子どもの代理意思決定、リハビリ、不妊治療などの意思決定支援実践者との強力なチームゆえ、すっと企画が通りました。一般の理解も進んだこともあろうかと思います。

 

実際のケースを多く紹介しており、場面を想像しながら読んでいただけると思います。看護学生にもわかるように、を心がけました。

 

値段が高いのば痛いのですが、お役に立てれば幸いです。

 

患者中心の意思決定支援 Amazon

 

 

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2010年の高齢化率が23.1%となり、ついに私たちの社会は超高齢社会(65歳以上の人

が総人口に占める割合が21%を超える)となりました。

 

それに伴い、高齢者が食べられなくなった時、人工的な栄養・水分補給についてどう

考え、どう実践していくのか、は大きな課題となっています。

 

動物は口から食べられなくなれば死にます。しかし、人間はその代替手段を持ってい

ます。その手段をどう使っていくのか、私たち一人一人の死生観とも直結している問

題でもあり、簡単には答えを導き出せるものではありません。

 

今日ご紹介する「高齢者ケアと人工栄養を考える‐本人と家族の意思決定プロセス

ノート」

PDF: http://www.l.u-tokyo.ac.jp/dls/cleth/ahn/pdf/processnote_all.pdf  

は、食べられなくなったときにどのような選択に至るか、その意思決定のプロセス

を、ご本人とご家族が、医療者の助言も得ながら、一歩一歩たどることを応援できた

ら、という思いで作られています。(「高齢者ケアに関する意思決定プロセス」研究

班のページ http://www.l.u-tokyo.ac.jp/dls/cleth/ahn/index.html より一部引

用)

 

 

現在、日本老年医学会「高齢者ケアの意思決定プロセスに関するガイドライン:人工

的水分・栄養補給を中心として」の作成を目指してガイドラインの試案と意見公募が

行われています。ご興味のある方は下記参考にして下さい。

 

上記ガイドラインへの意見書き込み・送信用ファイル

http://www.l.u-tokyo.ac.jp/dls/cleth/guideline/index.html

 

また、参考になる調査として下記もご紹介します。

 

認知症患者の胃ろうガイドラインの作成

―原疾患、重症度別の適応・不適応、見直し、中止に関する調査研究―

http://www.peg.or.jp/news/research/h22_peg.html

 

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115日(土)午後

福岡県コメディカルスタッフがん医療研修会にて「緩和ケアを支えるコメディカルの

役割」というテーマで研修が行われました。私は、「自分らしく納得のいく医療を支

える緩和ケア」というタイトルの講演を行いました。

http://www.gan.med.kyushu-u.ac.jp/medical/guide_111105.html

 

今回は、「緩和ケアにおける薬剤師の役割」「ホスピスにおけるリハビリの役割」と

いうことで福岡大学病院緩和ケアチームの薬剤師内山将伸先生、栄光病院リハビリ

テーション部理学療法士の林邦男先生の講演もあり、聴衆も看護師・薬剤師・理学療

法士、と多様な職種の方々がいらっしゃいました。

 

ホスピスの最前線で活躍されている方々のお話しを拝聴し、「納得」はどの分野でも

キーワードであることを実感しました。

 

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99日(金)午後

日本医業経営コンサルタント協会 福岡県支部 継続研修

「自分らしく納得のいく医療の選択支援をめざして」

http://www.jahmc.com/pdf/fuk/attach_fuk_20110824133903.pdf

 

医業経営に関わる皆様への講演だったため、患者さんの本音を伝え、自身のこととし

て考えて頂くことを主としました。講演後アンケート結果を頂きました。

 

・参加型が新鮮だった

・ロールプレイングを通して患者さんの考え方を想像できた

・ロールプレイングで様々な意見・考え方に触れることができた

・会員同士の交流が出来、ゆっくり深く考えることができた

 

など、自分ごととして考えることが出来た、との評価を頂きました。

「納得」とは何か、を一緒に考えることが出来たことが価値となったことを祈ってい

ます。 Y.I

 

けあサポ(介護・福祉の応援サイト)に病気との付き合い方に関する記事を毎週掲載してきました。このたび最終回を迎えました。なんと74回。毎週毎週〆切に追われハラハラでした。。。 なんにせよ少しでも病気との付き合い方の参考になれば幸いです^_^

 

http://www.caresapo.jp/senior/health/letter/index.html

 

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介護・福祉の応援サイト ”けあサポ” (運営:中央法規出版) ”健康の作り方”コーナーにて連載を始めました。

週に1回更新の予定です。

 

タイトルは

病気との付き合い方 ?医療コーディネーターからの手紙

です。

 

納得して医療を受けるヒントを多く紹介しています。ぜひご覧下さい。

日野原先生の連載も同じコーナーにあります。内容とても勉強なります。

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以前、第1回のフォーラムに参加させて頂いたDIPEx-Japan(ディペックス・ジャパン)が、昨年の12月より「乳がんの語り」ウェブサイトを公開致しました。

乳がんの語り」は、乳がんという病いの体験について、20代から70代の43名の乳がん体験者の女性たちにインタビューをしたものです。 サイトでは、それぞれのトピックについて語っている体験者たちの1-4分の短い「語り」の映像・音声・テキストを見ることができます。 また、年代別のページから、個々の体験者の語りを見ることもできます。

トピックは、大きく、発見/治療/再発・転移/生活の4つに分かれており、それぞれのトピック毎にさらに小項目に分かれています。

医療コーディネーターとして注目したいのは、「発見」のトピック内「治療法の選択・意思決定」トピックです。
ここでは、インタビューに答えた人たちがどのようなことを考え、その治療を選択したのか、選択するまでの過程について、語っています。

自分と似た状況の方が、どのような方法で意思決定を行ったのかを知ることは、自分自身の意思決定を行う際に非常に参考になります。このサイトのように、意思決定の場面だけを切り取って、多くの意見を読むことが出来ることは素晴らしい意思決定支援となることでしょう。乳がんの方は是非参考にして頂きたいと思います。

今週末には、フォーラム「患者の語り」が医療を変えるPart4も開催されます。今後、前立腺がんの語りも公開される予定です。

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9月19日土曜日、第5回医療決断サポーター(支援員)養成講座に講師として参加致しました。この講座は、医療決断について幅広く学べる貴重な場です。講師に呼んで頂いた際は、朝から晩まで参加させて頂き、自分以外の講義も学ばせて頂いております。

今年は、神戸松蔭女学院大学・大学院教授 東豊先生の「システムズアプローチ」の授業に参加致しました。東先生は語り口が軽快で、ユーモアたっぷりの授業。本当に引き込まれるようでした。お話の中身は、来年早々に出される本に詳しいということで、ここでは内緒にしておきます。

講義後は、今年も参加している学生さんたちと共に懇親会に参加しました。学生と言っても現役の看護師、MSWの方々です。受講後は、相談支援窓口や、病棟や外来などで、今回の知識をすぐに患者さんに役立てようと学んでいます。

現場の辛さ、そして遣り甲斐など伺いながら私たち一人一人に何が出来るかを語り合い、前向きなパワーを分けてもらいました。参加者の方々は口々にこの講座が続いて欲しい、後輩にも学んで欲しいと言っていました。こうした体系だった講座はこのまま続いて欲しいと私も切に思います。もうすぐこの講座の内容をまとめたテキストブックが発売となります。たくさんの方に「医療決断支援」の実際が広まることを願っています。

ひとつ前のエントリーで、「物事を明確にインパクトがあるように伝えるには、相手の視覚に訴えることが重要だ」ということで、医療においても動画が活用されてきたことを書きました。

タイムリーに関連した研究結果がアメリカで発表されたという記事を見つけましたのでご紹介します。

終末期治療の選択にビデオが有用

研究を率いた米マサチューセッツ総合病院(ボストン)のAngelo Volandes博士によると、終末期の治療の決定に患者自身が関与するようになってきているが、疾患やそれに伴う治療がどのようなものかを患者が具体的に想像するのが難しいという問題があるという。「話をするだけでは疾患の経過や選択できる医療措置の全体像を描くことができないことがあるが、ビデオの使用が役立つ可能性がある」

この研究では、口頭説明だけの群とビデオを見た群との間には明らかに選択した治療法に差があることを伝えていますが、ここまではっきりと差が出ているとは驚きました。そして、影響力が強いがゆえに、その内容の公正さは重要だ、ともありました。まったく同感です。

動画を使って、同病の人がどのように治療を選択したのかを知ることが出来るサイトとしては、DIPEx があります。

DIPExは Database of Individual Patient Experiences(個々の患者の体験のデータベース)の頭文字を組み合わせた名前です。ホームページにアクセスすることで、新たに病気の診断を受けた人は、ほかの患者たちがどのようなことを思い、どうやって治療法を選択したかを知ることができます。

また、日本でもこのような試みがなされているようです。

医師が主演 転倒予防TV

動画と意思決定との関係について、日本でも研究結果が出ることを期待しています。

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ビデオに撮っておいた ETV特集 第256回 1月18日(日)「ミャンマーに医療のかけ橋を」を先日やっと見ることができました。

このドキュメンタリーは、ジャパンハート(発展途上国で子供を救う国際医療協力ボランティア医療団)と海を越える看護団(発展途上国で子供を救う国際医療協力ボランティア看護師たち)の活動をミャンマーで追ったものです。

国際医療貢献というと、過酷な勤務内容や悪い衛生状況などから私には向き合えない仕事だとの思いがありました。しかし、この特集の最初に吉岡医師が言った言葉に釘づけになりました。

「医療の届かない所に届けたい。海外の医療不十分なところや日本でも医療過疎地。そして日本人を含めて(医療が)届いていないのは心の部分。人々の精神的な部分に関わって満足を得てもらう。(それを)医療の形として生み出していきたい。」

この言葉の後に続いた現地活動の紹介映像の後、参加している医師と看護師のインタビューがありました。

28歳 医師
「医療的に良いこと と 彼ら的(現地のミャンマー人)に良いこと がある。でも彼らの人生の延長線上に病気も死も存在している。ここを中心に物事を考えていくことが出来るようになってきたかもしれない。」

33歳 医師
「患者にも生活や仕事がある。病気ではなく人を診ると日本でも言われてきた。しかし日本にいた時は患者の生活がどうなっているかを感じる場所は少なかった。ここでは、それを感じることができた。そしてそれが重要だと分かった。」

27歳 看護師
「患者の生活を考えて関わっていくことを気付かされた。病気が長引けば一緒にいる家族は働けない。お金がかかる。家も留守になる。家には子どもを置いて来ている。そんな家族の姿を見て、傷やその時の状況だけを看るのではなく、患者の背景を看て関わっていきたいと思う。日本でも患者と過ごす時間を大切にするようになった。日本もミャンマーも患者との関係は変わらない」


国際医療貢献を通じて見えてきたもの。それは「その人らしさを支えること」の大切さでした。それは反面、いかに「その人らしさを支えること」が今の日本の医療者にとって難しいものであるかという現実でもあったように思います。

患者の声を聞くことの重要性、患者らしさを支えることの大切さ、そしてその難しさを医療コーディネーター活動を通して実感してきました。なぜこんなにも患者視点になることが難しいのか、と悩むことも多いです。

しかし、ジャパンハートの活動に参加している方々の言葉を聞き、「その人らしさを支えることの重要性を知ること」は、こうした今を生きることが第一優先で、それを医療が補助しているといった厳しい状況の中に入りこんでこそ手に入れることができる貴重な財産であることを知りました。


ジャパンハート代表 吉岡秀人ブログ(ETV特集の感想も掲載されています)


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人が何かを決断する時、「自分で決めること」が重要なのは当たり前。でも、改めて、なぜ重要なのかを言葉で表すことはできるでしょうか?

当たり前すぎて言葉には表わしにくいこの問いに、シンプルな答えを与えてくれる考え方を見つけましたのでご紹介します。いのちの授業でたびたび取り上げられる小澤竹俊医師のホームページ内からの引用です。(「ホスピスから学ぶいのちの教育」より)


***************引用ここから

人は、たとえ困難や苦しみの中であったとしても、次の3つの力によって、支えらます。

1.時間の力(時間存在)
2.関係の力(関係存在)
3.自律の力(自律存在)

がんと希望

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昨日、一昨日とがん関連の興味深い話題が報道された。

一つは朝日新聞の「望ましい死のあり方」に関する研究結果を伝えた記事。(文末に転載)

もう一つはテレビ朝日報道ステーションの「がん難民コーディネーター」密着取材放送。

がん難民コーディネーターの活動は、まさに東大の研究結果「がんと最後まで闘うこと必要―患者81%、医師19%」が背景にあると感じた。

がん難民コーディネーターは、がん患者に希望を与えるために活動を展開しているように感じた。活動内容の是非は別として、医療者ではない立場だからこそ出来るピアカウンセリングの一つの形だろう。

効果が出る可能性が極めて低いかもしれない治療法でも、明日をもしれない命でも、その療法を信じ、明日が来ることを信じている人に対して、「大丈夫」「頑張れ」と言う人の存在は大きい。そういう人がいてくれるからこそ、希望を持って生きていける方たちがいる、そんなことを放送を見て感じていた。


【2009年1月21日(朝日新聞)より転載】

「がんと最後まで闘うこと必要―患者81%、医師19%」

がんになったら最後まで闘うことが必要かどうか――。そんな問いかけに対し、患者と医師の意識にギャップがあることが、東大の研究グループが実施したアンケートで浮き彫りになった。

 東大病院(東京都文京区)の放射線科外来を受診中の患者450人と東大病院でがん診療にかかわる医師155人、看護師470人に加え、無作為に抽出した東京都に住む市民千人(20?79歳)を対象に、「望ましい死のあり方」について尋ねた。

 その結果、「最後まで闘うこと」は、81%の患者が必要と答えたのに対し、医師は19%にとどまった。一般市民は66%、看護師は30%。

 「やるだけの治療はしたと思えること」でも、92%の患者は必要と答えたが、医師は51%。「容姿がいままでと変わらないこと」は、必要としたのは患者70%に対し、医師は29%だった。

 研究グループは「医療者の回答は、現実や実現可能性を反映していると思える部分もある」としたうえで、「医療者は自らの価値観とがん患者や一般市民の価値観が必ずしも一致しないことを自覚すべきだ」としている。

 逆に、「残された時間を知っておくこと」は、医療者は89%が必要と回答したのに対し、患者は69%。「先々何が起こるかをあらかじめ知っておくこと」では79%の医師が必要としたが、患者では63%と医師よりも低かった。

 担当した東京大学大学院医学系研究科の宮下光令講師(緩和ケア看護学)は「このような価値観は人によっては重要だが、必ずしもすべてのがん患者が望んでいることではない。押しつけにならないよう個別に配慮されるべきだ」と指摘している。

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 画像をクリックすると詳細拡大します

患者が納得のいく治療や療養方針を選択するため、当該プロセスをふむことを楽患ねっとは推奨しています。そして、必要に応じて1人の医療コーディネーターが全プロセスを支援します。

気持ちが動揺しているときには医師の説明が頭に入らないことは往々にしてあります。また、診察のたびに細切れに医師と話し合いをしますので、自分の病気について全体像を考える機会は意外とないものです。まずは落ち着いた環境で今一度医師の診断や病気の説明を振り返ります。

次にこの病気が生活にどのように影響するのか他の患者の事例を交えてお伝えします。その上で今後ご自身が病気を患うものとしてどのように生きていくのかをふまえながら、治療や療養に関しての希望を纏めていきます。その際の治療や療養に関する選択肢は、一般に公開されているものや医療機関に問い合わせた情報、他の患者の事例などを交え、分かりやすくお伝えします。

最後にご本人の希望を医師に伝え、実際の治療・療養を実行するわけですが、その際に医師の説明をわかりやすく伝える、ご本人の思いをもれなく医師に伝える、といったコミュニケーションの支援を、診察やセカンドオピニオンの場に同席することで行います。

そして全てのプロセスを通じて大切なことがあります。それは、冷静に現実を頭で考えて行動を決定するのではなく、ご自身の内面にある不安や悩み、怒りなど気持ち(本音)に向き合うことです。正しいと思う選択をしても、その選択に気持ちが追い付いていかなければ立ち止まる時がやってきます。自身の選択に気持ちも納得できるか、ということを考えることはとても大切なプロセスです。時に気持の納得には時間がかかることもあります。御自身の思いを表出し、頭も気持ちも納得できるよう支援します。

プロセスに照らして、患者本人がいまどこにいるのかを知り、さらに何を考える必要があるのか、といった今後の道しるべとして役立つことを期待してます。

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ナーシング・トゥデイ ●2007年10月号(Vol.21,No.11) の特集は、「緩和ケアにおける意思決定支援 一般病棟ナースだからこそできる! がん看護CNSからのアドバイス」です。

始めに「緩和ケアとは何か」を再考し、その上でケアの場面を3つに分けて、それぞれの場面での意思決定の方法と成功事例を紹介しています。非常に実践的な内容で一読の価値ありです。
がん看護CNS(専門看護師)の持つ「実践」「相談」「調整」「倫理調整」「教育」「研究」の6つの役割の実際を知る、という観点からもお勧めです。

余談ですが、今回の雑誌の表紙は、楽患ナースにも所属しています堀泉さんです。


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医療における意思決定を支援する人材養成講座のご紹介第2弾は医療決断支援師(MDC/医療コーディネーター)です。

MDCは、全国訪問健康指導協会が主催しています。全国訪問健康指導協会は、そもそも保健師や看護師の資格を持った相談員が各都道府県に在籍しており、健保組合・共済組合からの委託により、被保険者・被扶養者に訪問相談をするサービスの提供をしていました。この活動の中で医療決断支援の必要性を感じ、新しいサービス提供に到ったということでした。

第一回の講座募集要項はこちら(PDF)

MDCの講師は、寺下先生(寺下医学事務所代表)を中心とした医師が行っています。また、MDCは「受講終了後に全国訪問健康指導協会に登録して活躍することができます。また、寺下医学事務所にて医療決断支援医の補助としても活躍することができます。」「国を網羅する独自のM.D.C.協力医ネットワークで、良質な医療のご提供を支援いたします。」と謳われておりますように、医師との連携が強化されているようです。

独自の医師のネットワークがあることは、MDCの強みですね。


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医療における意思決定を支援する人材を養成するために、ここ数年いくつか講座が開講しています。
そこで、その中の代表的な物をご紹介します。

まずは医療決断サポーター(MDS)。医師と患者の間に立ち、患者の「自己決定」を支える人材育成のため九州大大学院医学研究院医療ネットワーク学教室が「医療決断サポーター養成講座」を開講しています。受講者は、医療機関において患者さんの治療方針決定の場面に立ち会う医療有資格者(原則として医師、看護師、社会福祉士)。

この講座の目的は、
・インフォームドコンセントの場に立会い、医師と患者の橋渡しをする人材を養成します。
・日本の風土に適した医療決断支援のあり方について、情報交換を行います。

となっています。講座内容はとても充実しており、受講生の活躍へ期待も高まっています。
参考記事:患者の「自己決断」支援…サポーター奮闘(2006年1月25日 読売新聞)

MDSと楽患ねっと認定医療コーディネーターの違いは、中立的な立場であるか、ないかが主となります。MDSの場合は病院内で活躍できる人材を育成することに主眼を置いています。活躍の場として病院で勤務していることが現実的だとの判断からです。

ただこの口座は寄付講座ですので、いつまで継続されるのかは未定。御興味のある方は早目の受講をお勧めします。

現在は2007年 第3回医療決断サポーター(支援員)養成講座を開講中。 アメリカでの実践や患者さんの声、コーチングやメディエーションなど多様なプログラムとなっています。私も医療決断を実践をしている者として講師を務めます。授業をしての感想はまた終了してからアップしますのでお楽しみに。

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医療における意思決定について詳しいページのご紹介

ナースの皆さんならご存知のサイト「ナースに役立つ種類のサイトとは?Nurse's SOUL」より

意思決定、意思決定支援、インフォームド・ディシジョンに関するページはこちら


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楽患ねっと主催の多職種交流勉強会NON(Not only nurse)では、2007-2008 年間テーマ を「医療における意志決定支援」としております。

第一回のゲストは池田和子さん。御話のテーマは、国立国際医療センター エイズ治療・研究開発センター患者支援調整官としての実践より、エイズ治療における意思決定の実際でした。
基本に立ち返るお話で、気づきも多いものでしたのでご紹介致します。

第6回 NON定例会の報告


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意思決定支援と言えば外せないのがこの「オタワ個人意思決定ガイド
難しい決断を迫られている人のためのガイドです。
意思決定に関わる人たちに自分の考えを伝える際の手助けをします。


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医療における意思決定、自己決定とは何か、という問いに答える資料を見つけることは非常に困難です。良・質共にベストなページを一つ御紹介します。

医療における意思決定に関する資料一覧はこちら

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MDアンダーソンの上野准教授の講演からの記事です。こうした輸入物はSPIKES(引用はPDFです)の時のように一気に広がる可能性が高いです。

最良の医療を受ける9カ条

特に第一条は当たり前のものとして患者さんに認識されると良いなと思いました。「ほとんどのがんは慢性病」ということが通説となり、不必要な焦りが減ることを願います。

というのも、病院都合で入院を決めたり、手術を勧める際によく使われるテクニックに、「早いうちに悪い物は取っておかないといけませんね。」という言葉があります。この言葉に踊らされると、セカンドオピニオンも意思決定も吹き飛んで、即入院・即手術となってしまいます。そこから医療者任せが始まるのです。

ですから、このような状況で、どう冷静にIC(インフォームドコンセント)を受け止め、意思決定を実践していくのかが、がんの初期には重要なポイントとなります。このようなサポートは、医療コーディネーターの重要な仕事の一つです。この9カ条が、正しいICへの道を開くきっかけとなりますように。

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