やりたい仕事はできなくて当たり前?  (岩本ゆり)

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先日、高校時代の同級生とランチをした。

彼女は、医療業界に少し関わりがある職業についている。
しかし、仕事で関りあいのある職種は、事務方や医師がほとんどのようである。

彼女から、「何で看護師さんは燃え尽きて辞めるの?」
と聞かれたので、「自分のやりたい仕事が出来ないからじゃない?」と答えた。

私「今の病院は患者さんの側にいて話を聞く時間はほとんどなくて、処置や医療機器の操作に追われて、看護師らしい仕事が出来ないんだよ。」

彼女「だって、処置や機器の操作って、看護師の仕事でしょ?」

私「そうだけど、それは看護業務の一部にすぎなくて、看護師が本当にやりたいことがやれないんだよ。」

彼女「でも、やりたいことがやれないのって、どんな仕事でもそうだよね。最近は医療も高度化していて、看護師もそれに対応した専門家を育ててるんじゃないの?」

私「・・・(絶句)」

確かに、どんな仕事だって『自分のやりたいこと』ばかりがやれるわけじゃない。
看護師特有かもしれないが、
”私たちのやりたいこと” = ”患者さんのために必要なこと”
だと多くの看護師が自覚している。そして「やりたいこと」は、法律に規定されている「診療の補助」と「療養上の世話」で表わされることだけではないのだ。
法律によって明文化されていないので、人によって表現方法は違うだろうが、看護師のやりたいこと、それは「その人らしさを支えること」だ。しかし、それは一般の人には全く伝わっていない。

看護師は、自分自身のやりがいのため、そして何より患者さんのため、と努力する。しかし多くの人たちが2-3年も経つと「現実と理想のギャップに燃え尽きて」「やりたいことが出来なくて」と言って辞めていく。

2007年の調査で、常勤看護職員離職率は12.4%だった。国家試験を受けて専門職となる看護師がこれだけ離職することは社会問題だと言う人もいる。

私たちは燃え尽きて、その後どうしているのだろう?
潜在看護師となり、もう看護の仕事には戻っていかないのだろうか?

私は、その人らしさをサポートする仕事、「医療コーディネーター」という仕事を立ち上げた。これは看護師が本来やるべき、そしてやりたい仕事だ。燃え尽きとは無縁であろう。それが私の離職後の道だ。

一般の人には、看護師が本来したいことが出来ていなくても医療はまわっていくと思われている。そうした一般の方の意識も変わっていかない限り、看護師の離職はとまらないのかもしれない。

分かってもらうためには、まず私たち看護師が、自分たちの仕事の価値を伝えていかなくていけない、そんなことを考えさせられたランチだった。

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