2009年6月アーカイブ

ひとつ前のエントリーで、「物事を明確にインパクトがあるように伝えるには、相手の視覚に訴えることが重要だ」ということで、医療においても動画が活用されてきたことを書きました。

タイムリーに関連した研究結果がアメリカで発表されたという記事を見つけましたのでご紹介します。

終末期治療の選択にビデオが有用

研究を率いた米マサチューセッツ総合病院(ボストン)のAngelo Volandes博士によると、終末期の治療の決定に患者自身が関与するようになってきているが、疾患やそれに伴う治療がどのようなものかを患者が具体的に想像するのが難しいという問題があるという。「話をするだけでは疾患の経過や選択できる医療措置の全体像を描くことができないことがあるが、ビデオの使用が役立つ可能性がある」

この研究では、口頭説明だけの群とビデオを見た群との間には明らかに選択した治療法に差があることを伝えていますが、ここまではっきりと差が出ているとは驚きました。そして、影響力が強いがゆえに、その内容の公正さは重要だ、ともありました。まったく同感です。

動画を使って、同病の人がどのように治療を選択したのかを知ることが出来るサイトとしては、DIPEx があります。

DIPExは Database of Individual Patient Experiences(個々の患者の体験のデータベース)の頭文字を組み合わせた名前です。ホームページにアクセスすることで、新たに病気の診断を受けた人は、ほかの患者たちがどのようなことを思い、どうやって治療法を選択したかを知ることができます。

また、日本でもこのような試みがなされているようです。

医師が主演 転倒予防TV

動画と意思決定との関係について、日本でも研究結果が出ることを期待しています。

愛する人を救うために―脳卒中になったとき

医療に関する言葉は「分かりにくい」とよく言われます。
病気の予防行動や緊急時の対応に関しても同じです、

そこで世間一般の流れに追いつこうと、医療関係の講演会やパンフレットでも、アニメーションや漫画、笑いなどを活用して、「分かりやすく市民へPRすること」を意識するようになってきました。

中でも、物事を明確にインパクトがあるように伝えるには、相手の視覚に訴えることが重要だ、と言われています。最近のこうした世間の流れに沿う形で、脳卒中の対処法を伝えるビデオが作製されました。そして何とこのビデオ、歌も付いています♪

愛する人を救うために―脳卒中になったとき

見終わると、FAST!という赤い文字と元気な音楽が耳に残ります。

また、脳卒中という病気そのものを理解してもらうために、患者体験の生の声をそのまま伝える動画もありましたのでご紹介します。今年の5月にNHKで放送された脳科学者テイラー博士の動画ですので、御存じの方もいらっしゃるかと思います。

http://www.ted.com/index.php/talks/lang/jpn/jill_bolte_taylor_s_powerful_stroke_of_insight.html

こうして、医療という分かりにくい世界を、動画という分かやすい形でたくさんの方に伝えていくことは、病気を自分ごととして捉え、一人でも多くの方を病から救うことにつながることと思います。


posted by 楽患ナース【治療や病院選びの強い味方】