第47回 日本癌治療学会学術集会 に参加して

| コメント(0) | トラックバック(0)

700名以上の方が参加され、盛会となった会へ参加して参りました。

私は主に教育講演(その領域を学び始めたばかりのビギナー医師向けの講義)を聞き、合間に興味のある最新のトピックを扱っている講演を聞いて回りました。

講演を聞いて感じたことは、医学の日々の進歩は本当に地道な一人ひとりの医師を初めとした医療者達の研究が積み重なって出来上がっているものだということでした。

例えば、私が聞いた講演の一つに「高齢者の胃がん治療」があります。

『75-80歳以上の高齢者に手術や抗がん剤治療を行った場合の危険性や予後はどのようになっているのか』『術前にそうした危険性などは予測できるのか』などについて5施設から発表がありました。

発表の後は参加者から意見交換がなされます。

『高齢者の胃がんを治療する場合は、栄養状態が悪化している場合が考えられるため、治療前にどのような工夫がなされているのか?なされていないのであれば、その点に配慮した臨床を心がけ、またデータを集めて発表していくように』などのやり取りがありました。

そしてその講演の結論は、『治療前の身体状態と治療後の予後因子や合併症の発生とは因果関係は見つけられなかった』ということでした。

高齢者の方々が安全に治療を受けて頂けるために、診療の合間にデータを集め、分析し、学会で発表してお互いに討議しながら次に続けていく。医師の方々の努力を垣間見て、改めてその素晴らしさに感服しました。

と同時に、医療というのは本当に不確実なものであることも実感しました。

過去に受けた医療コーディネーターへの相談で、『高齢の親が手術をするべきかどうかというセカンドオピニオンを受けたが、医師から見解を示してもらえなかった』という件がありました。相談者の方は『今の医療レベルから考えて、医者なのだから明快な見解を示すことができるはず』という思いであったと思いますが、残念ながら現実は違います。一般の方の期待と現実はまだまだ乖離があることも改めて感じた学会でした。


参考サイト:第47回日本癌治療学会学術集会「JSCO2009」の速報

posted by 楽患ナース【治療や病院選びの強い味方】

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://non.rakkan.net/mt5/mt-tb.cgi/488

コメントする