地域に根ざした看護職が行うグリーフケア

IMG_3203.jpg

 

小冊子「地域に根ざした看護職が行なうグリーフケア」

 

昨年12月6日、聖路加大学地域看護学准教授 小野若菜子先生による「訪問看護師を対象としたグリーフケアの教育プログラム」の効果検証の研究に参加しました。

先生が作成された「地域に根ざした看護職が行なうグリーフケア」という小冊子を中心としたセミナーで、講義と事例検討、ディスカッションを行ないました。

私たちの訪問看護ステーションでは担当看護師が必要が思った方に対してお悔やみ訪問を行なっています。今回のセミナーでは地域の訪問看護ステーションも参加するとのことでしたので、他のステーションではどんなグリーフケアを行い、ケアの対象者をどのように選定しているのかを知りたくて参加しました。

まず、グリーフケアの定義に狭義と広義の2種類あることを知りました。

狭義は患者の死後のケア

広義は患者の死の前後を問わないケア 

とのことでした。そしてまさに「どんな人に支援が必要か?」というレクチャーもありました。

・家族や支援者がいない人、いても話し合いが出来ない人(男性に多い)
・予期しない死に向き合った人(周囲の人は予期できた死と感じていても、残された当人が突然の死と受け止めている時を含める)
・苦しむ姿を見ていた人(安らかでない死を迎えた場合)

緩和ケアにおける最大の痛みは「孤独」である、と以前、新潟病院の中島医師がおしゃっていた通り、グリーフケアにおいても「孤独」はキーワードでした。

そして、緩和ケアの根幹である症状コントロールや、死のプロセスの説明そのものが、生前からのグリーフケアそのものでした。グリーフケアは緩和ケアに含まれるものとして捉えられる、と言われますが、その言葉がすとんと胸に落ちました。

 

IMG_3204.JPG

 

これまでのお悔やみ訪問の中で、病的な悲嘆を感じているか否かを訪問を継続するか否かの基準としてきました。今回のセミナーでは、看取り後のケアの中に、「遺族の社会活動の再会状況の把握」があるとの文章がありました。確かに、介護と仕事を継続している方、故人との関係以外の役割を持って生活している人は悲嘆からの回復が早いように感じます。

患者さんのご家族は介護が始まると、出来るだけ患者さんのために時間を作ろうとし、仕事や家庭との両立に頭を悩ませます。人によっては仕事を辞めることを真剣に検討する方もいます。時と場合によると思いますが、介護一色の生活にならないこと、自分の世界を持つことは大切だということが、グリーフケアの観点からも分かります。「孤独」にもつながることでもあるのでしょう。

普段の看護を丁寧に行なうことそのものがグリーフケアである、との思いを新たに毎日を積み重ねていきたいと思います。